12/23に発売された、マリンバ奏者：三村奈々恵さんの最新アルバム「マリンバ・クリスタル ～祈り～」のサンプルを頂いたので拝聴しました。
これがもう素晴らしいのなんのって「マリンバここにあり」とでも言いましょうか、「これぞマリンバ」とでも言いましょうか。
マリンバが持つ「木の精霊性」をアルバム一枚通して感じることのできるなんともスピリチュアルな一枚。
精霊の祈り、水気を含んだきらめき、そういったものがゆっくりと浮かんできます。
バッハに始まり、オスバルド・ゴリホフ「マリエル」、アンナ・イグナトヴィチ「トッカータ」、再びバッハ、キース・ジャレット「ザ・ケルン・コンサート パートII c」とマリンバの美しく神秘的で川のせせらぎのような音はグングンと精霊的な響きを増し、クリストス・ハツィス「ファティリティー・ライツ」で頂点を迎え、精霊のきらめきが一気に弾けます。
「ファティリティー・ライツ」は初めて聴きましたが、ビックリしますよ。
そして吉松隆の幻の作品「バードスケイプ」、エルガー「ニムロッド」の2曲できらめきの残像を残しながら、CDの再生が止まります。耳に残った音の記憶を反すうする時、再び多幸感に包まれる。
演奏も、構成も見事なアルバムです。
このような素晴らしいアルバムを作った三村奈々恵さん、そして制作スタッフに心から賛辞を送ります。
レビュー：梅本周平（Wind Band Press）
商品詳細は以下の通り。
品番：OVCC-00133
定価：3,200円（税抜き）
仕様：Hybrid
発売日：2016/12/23
メーカー：オクタヴィア・レコード
三村奈々恵（マリンバ）
古川展生（チェロ）
収録内容：
J.S.バッハ／三村奈々恵編：
前奏曲 ハ短調 BWV999
J.S.バッハ／三村奈々恵編：
フーガ ト短調 BWV1000
オスバルド・ゴリホフ：マリエル（チェロとマリンバ版）
アンナ・イグナトヴィチ：トッカータ
J.S.バッハ／三村奈々恵編：
シャコンヌ～無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004より～
キース・ジャレット：ザ・ケルン・コンサート パートII c
クリストス・ハツィス：ファティリティー・ライツ
吉松隆：バードスケイプ
エドワード・エルガー／三村奈々恵編：「エニグマ変奏曲」よりニムロッド
2016年5月24-26日神奈川・相模湖交流センターにて収録
三村 奈々恵 Nanae Mimura ―マリンバ＆ヴィブラフォン奏者
国立音楽大学打楽器専攻を首席卒業後、渡米。
ボストン音楽院にて修士号を取得し、バークリー音楽院で講師を務める。
学生時代より、その卓越したテクニックと詩情豊かなサウンドが評価され、史上3人目の「アロージ賞」（スイス）を受賞する等国際コンクールで優勝を重ねる。
また、国際的若手アーティストの登竜門とされるニューヨークの「コンサート・アーティスト・ギルド・コンペティション」ではソロで最高賞を獲得。特にマリンバ・ソロとしては初の受賞者となった。
その後、ニューヨークの「カーネギー・ホール」でデビュー・リサイタルを行い、一躍、世界に名を広めた。
演奏活動は、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、中南米等、世界をまたにかけ20ヶ国に及ぶ。マリンバが国家象徴に定められたグァテマラでは、過去4回の招聘で国立オーケストラとの共演も果たし、2001年には「グァテマラ・マリンバ協会」より初の名誉会員（第１号）に任命される。
クラシックからポップスまでジャンルを越えて幅広く活動を行っている。
アルバムも3枚リリース。
近年では、作曲家吉松隆氏にマリンバ協奏曲を委嘱し、10年11月京都市交響楽団と世界初演、その後、山形交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団と再演した。
14年4月には日本コロムビア（DENON）より、同曲を山形交響楽団と共演したライブ録音がCD発売された。
また、13年「ラテン・アメリカ・マリンバ・コンクール」（メキシコ）、「ユニバーサル・マリンバ・コンクール&フェスティバル in ベルギー」、16年7月「第3回イタリア国際打楽器フェスティバル＆コンクール」（イタリア）において審査員を務めた他、「パーカッション・フレンズ室内音楽アカデミー2013/14 in アムステルダム」や「ゼルツマン・マリンバ・フェスティバル」（アメリカ、日本）にて定期的に講師を務める等、後進の指導にも積極的に力を注いでいる。
国内では「八ヶ岳マリンバ・キャンプ」を主宰。
アメリカ・アンコール社より三村奈々恵モデルのマレットが開発・発売されている。ヤマハアーティスト。
協賛
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